湯檜曽川本谷

ハギ

2009年9月5〜6日
孝の方だよ(CL)、ぺがさす、ハギ


9月5日
白毛門登山口駐車場〜一ノ倉沢06:56〜武能沢出合08:39〜十字峡10:08〜七ツ小屋沢出合11:43〜40M大滝13:40〜二俣14:55〜テン場15:30頃
9月6日
テン場07:02〜稜線09:00/09:40〜朝日岳09:45〜白毛門登山口14:20

9月5日
前夜テントを張った道の駅から、白毛門登山口に向かう。当初はすぐ登山道に入る予定だったが、転じて車道をテクテク歩き、一ノ倉沢駐車場先の3箇所目だったか?の新道へ降りるポイントから下る。しばらく歩けば武能沢、ちゃんと標識がある。ここでは数パーティ準備していた。私たちも準備、してる間にも後続がやってくる。居合わせたパーティ皆、本谷遡行だそうで、すごい人気だ。ここから湯檜曽川の河原に降りる。
すぐにF1魚留の滝だ。左の巻きルートを1P先行中、1P待ち。こちらも大人しく待つ。一段上がってトラバースの一歩嫌な所は残置を使えば問題ない。直上する所にもロープがぶら下がっていた。すぐ後ろにいた後続Pのトップの「早く行け」というテレパシーを受け取る前にさっさと掴んで登る。その後もゾロゾロと連なって巻道を進み、しっかりした踏み跡がある所で下へ。
しばらく穏やかな所を進み、ガイドブックでおなじみの細長い淵へ到着!本当に水路みたいだ。左岸を歩いていくこともできるのだが、後ろの後続Pがヤンヤとはやし立てる中、ぺがさんが先陣を切って突入、私も続く。足の付かない所はほんの数メートルだったが、激流でないなら大歓迎!もっと長いと思っていたので残念だった(後で写真を見たら私で後続が詰まっていたがこの際それは置いておく)。
上越の沢は空が広くていいなぁとウキウキしながら進む。見所の一つ、十字峡では大休止。写真を撮りまくるが、いわば十字の中心に立って四方を撮影してもこの景色の綺麗さは伝わらない。後で家で写真を確認してよくわかった。そのすぐ先の豪快な抱き返し滝は左を少し登ってから、巻道へ入る。結構登らされた。沢に戻る時は急な草付の土の斜面を下る。この巻きは、フェルト底が結構気になりドキドキした。

さて、懸念その1「10m垂直幅広滝」。先行Pがロープを出して右壁から取り付いていたが、壁がヌメヌメでかなり苦労しているよう。左は下部が被っていて登れなそうで、私たちは「右から滝芯に近づき、滝壺から一段上がったら水流左へ行き、直上」というルートを取ろうということになる。って、シャワーというか、ザバザバですけど、とぺがさんの顔を見れば、輝いている。孝先生はと見ると涼しい顔でササッと雨具を着ている。よ、よし…。ぺがさんがトップで登る。孝先生が次、私は最後。ザバザバと頭から水を被りながら這い上がった後は長居は無用、すたこらバンドを伝って左へ逃げる。あとは確保されているし、登りやすい壁だったので安心して水流脇を登った。孝先生も後から言っていたが、結果的にはこのルートが一番いいルートだったんじゃないかと思う。そして結果的には、腹を決めて頭を水に突っ込んでしまえばモーレツに楽しい一時だった。
滝上の一枚岩にひっくり返ってしばらくの間甲羅干し。天気が良いので岩がぽかぽかと暖かく、濡れ鼠の体に心地よい。
さて、その後もちょこちょこと滝が続き、滝の間に挿入される綺麗なナメに癒されつつもいい加減お腹一杯の私である。時間的にまだ早いのにBPの用意をしているパーティに行きあうにつけ、頭が酒のことで一杯になり始めたころ、懸念その2「40m大滝」の登場だ。下段はロープ無しで簡単に。上段は結構な迫力で水を落としている。ここを直登、する人もいるのかと思うと。。。先行パーティが登り切るのを待って、左壁の巻きルートを登る。岩壁の抜け口にピンがあった。ここは孝先生がトップ。抜け口の左側が高度感あるが、あとは踏み跡に従い斜上、滝の落ち口のすぐ上までトラバースして容易に沢床へ降りることができた。今回の懸念はこれにて終了…というわけでこの直後に撮った写真は満面の笑み、我ながら実にわかり易い。

いや、もう一つ懸念があった。沢山人が入っているのでBP場所が得られるか?ということだ。ぺがさんが先行してBP地を探すも、結局良い所もなく二俣到着。二俣は案の定、もう一杯だ。とりあえず、遡行予定の右俣を進み、探しながら行こうということになる。最悪、稜線まで出る?暗くなるまでに着けるっしょ、などと言いながら、行くことしばし。なんと、「他にいい場所があったので移動します」というパーティからテン場を譲り受けることができた。元々が薮だ、湿っぽいものの、結構広く刈ってあって「うわー、こんな手間ひまかけたのにいいんですか?!」という感じだった。 そんなわけで切り開いて貰った段丘の上に無事テントを張り、お楽しみは河原に降りてやることになった。流れを挟んでのテン場と焚火の間を行き来する時にコけ、せっかくほぼ乾いていたパンツが再びびしょ濡れになって悲しくなったこと以外は、ウィスキーをちびちびやり、濡れた靴下を炙りながら楽しい夜が過ぎていったのだった。
いよいよスタート 細長い淵を突破するぺがさん
天気もよくて気持ちいい! 10m垂直幅広滝
40m大滝を登るぺがさん 幸せ度200%の人たち…

9月6日
翌日はノンビリマッタリと食後のお茶を楽しんで、7時に出発。今日も絶好調!な俊足のぺがさんをせっせと追い掛けながら、快適な小滝を越えつつ最後に高度をぐんと上げる。もう稜線も近い、細くなる流れを忠実に追っていくと程なく薮こぎに突入。背丈より高い薮を掻き分けたのは30分に満たない時間だったが、とっとと開放されたくてフガフガ登る。頭が上に出た時はブハァ〜と思わず深呼吸...。遮るもののない空の下、朝日岳の山頂はすぐそこだった。
快適に高度をあげていく 背丈ほどの高さの笹薮をこぐ
朝日岳山頂に到着 山頂からの眺め

湯檜曽川本谷は初めての中級沢でした。壊滅的に足を引っ張る迷惑な人になったらどうしようかとドキドキし、ビールも(実は、忘れたんではなく)自粛して臨みました。行ってみれば沢登りの醍醐味がぎっしりと詰まった、ワクワクしっぱなしの素晴らしい沢...!でありました。条件は最高、また頼もしいメンバーがいたからこそ行けたのだと思います。こんな素敵な沢にもっと行けるよう、また遜色なく助け合えるパワーバランスで行けるようにもっと頑張ろう!と強く感じた二日間でした。本当にありがとうございました