湯河原 幕岩初夏のRCTシリーズ
人見 邦明

  5月30日 中村、人見 2名
  6月7日 中村、大久保、加藤、人見 4名   (敬称略)

 北岳バットレス本チャンに向けて、幕岩への2週連続のトレーニング。中村は、明星、ミョウジだと今年はロッククライムと決めて、イレブンをめざしかなり過激に攻める。大久保も今年こそ本ちゃんをというわけで力が入る。人見はX級の壁に目標を定め、加藤もオールラウンド・クライマーとしての第一歩を踏みだす。

 5月30日(日)。茅ヶ崎ロックの先の、おとぎの森なんとかの「シンデレラなんとか」の壁にトップロープを張ってもらいなんとか登れる。ちゃんと足で立つようにすると登れるものだ。なにがなんだかわからない人見。調子にのってリードなるものをしてみるが、危なっかしくてダメ。このレベルに満足しない中村はテンシーの「帰還兵」という直立する壁をレイバックで登ってしまう。ありゃりゃ。これに気をよくしたのか、帰り際に簡単な壁をなめてかかりスリップ、太股に擦過傷(*1)。しかしこの仇は翌週の一本目できっちり果たす。なにせ、ルートがふざけたネーミングなので覚えるのが大変。私にとっては「テンビー」だの「イレブン」は別の世界だ。仕上げに、恒例あじのたたき(味はテンエーでした)を食べて帰る。
 
 6月7日。4名で湯河原に繰り出す。大久保は今シーズン初、加藤にとっては処女登攀だ。ザイルの結び方、確保のしかた、器具の使い方を教わる。W級だと思うが、加藤は蟻さんなんとかで中村師範から手厳しい指導を受けて半ベソ状態。人見は大久保にトップロープを張ってもらい、左側のカンテ(*2)をなんとか登って喜ぶ。いい大人が小さな壁に一喜一憂する。フリークライミングって変な世界ですね。

 昼食後、中村がつるつる壁(*3)を登り、大久保もこれに続く。どうしてああいうことができるんだろう。初級組のためにシンデレラにロープを張ってもらい人見、加藤で練習。「部長、お願いします」。人見は「ハイキング部部長」だと。ちなみに加藤のことは「ねえちゃん」という呼び名が定着している。早月尾根で「オイねえちゃん、酒もってこい」から来ている。JRはすでに沢登りの「師匠」を加藤から拝命し、中村は「師範」だから、この山岳会にはエラい人物が揃っている。

 隣の壁では中村、大久保がやばい壁にチャレンジ。4人だと練習の効率がいい。4本目で加藤は体力が限界だという。最後は「帰還兵」で師範の妙技を披露してもらう。続いてシーズン初のチーフリーダ大久保も渾身の力でクリアしてしまう。思わず拍手。初級者も触らせてもらうがお呼びでない。たっぷり練習し、満ち足りた気分で車中の人となる。来週の北岳の晴天を祈ってビールで乾杯。
 
【編集者注】 *1 トップが2本目にクリップするまでは壁にくっついてハーネスに確保器をセットしてビレイ
            すべきですね。もちろん落っこちてきてもぶつからない位置で。落ちるとは思わなかった
            のでビレイヤーに位置を変えるように言わなかった私がすべて悪い。
         *2 サンセット(5・9+) この左側の被った壁が「ダイヤモンドヒップ(5・11a)」
         *3 あの「とけいワニ(5・10c)」です。
 

岩登り偵察〜湯河原幕岩〜
加藤 まゆみ

期  日 6月7日()
メンバー 大久保純、中村孝、人見邦明、加藤まゆみ


 陽が差さなくて絶好の岩登り日和である。岩登りは初めてなのでどのようなものなのか参加してみた。1000湯河原駅に集合。タクシーで現場へ。今日は空いているらしい。

 最初の岩(1)へ向かう。岩にはそれぞれ名前が付いているらしい。相変わらず私は準備がのろい。大久保隊長がリードし、私がビレイの仕方を教わる。隊長にビレイしてもらい登らせてもらうが「おいおい、もつところがないよー、えーん」泣きたくなる。途中岩が出っ張った所がどうしても登れない。あきらめて降ろしてもらう。

 気を取り直して次の岩(2)へ。こちらも先ほどではないが出っ張っている部分がある。中村しぇんしぇに尻が出ていることを注意される。PUMPに行った時も同じことを言われたよな―。しぇんしぇに使うところをチョークで印してもらうがどう見ても適当につけたとしか思えない(3)。右往左往しているうちに若者軍団御到着。後がつかえているよー。益々あせる。あきらめる。しぇんしぇに手本を見せてもらう。

 側面の岩(4)でしぇんしぇと隊長が登るのを見学しながら人見部長と私はランチタイム。次の岩は「シンデレラフェース」と呼ばれる岩らしい(5)。隊長にリードしてもらい部長と私はそこで練習。しぇんしぇと隊長は隣の岩へ(6)。おーい、私に部長の命を預けていいのですか?緊張する。最初は部長に登ってもらう。ザイルがたるんでしまい、しまった!部長に上から注意される。次は私の番。何がつらいって岩を「がしっ」とつかめない。足場がちょーせまい。反則だがボルトを足場に使ってしまう。すみません。途中についているヌンチャクがなかなか取れない。簡単に取れてしまうのはダメなのであろうが(*7)。ようやく頂上に到着。ちょっと休んで降りる、が、おおー、なぜ左に流されるぅー!ヌンチャクをボルトに付けるときも手間取る。これは1回で終わり。部長は2回登る。

 最後に「キカンヘイ」(*8)という岩に行く。しぇんしぇは途中で「クルッ」と向きをかえ、拍手ものである。手も足もぷるぷる震えているのがおかしい。隊長はおしくも敗退。部長と私も挑戦させてもらうが,もちろんダメ。

 1630終了。収穫のある1日でした。また行きたいかというと「うーん、靴も買ってしまったしなぁ。」
とにかく筋力トレーニングをしなければ。

トップロープのビレイがしたいしたい!誰かPUMPに連れて行こうか・・・。しません,絶対にしません。10年早いです、わたしには。   

【編集者解説】