八ヶ岳・杣添尾根

大久保 純

期  日 ´98年1月30日(金)夜行〜2月1日(日)   
メンバー 大久保 純

1月30日(金) 新宿(22:50 発急行アルプス号)

 先週(八ヶ岳・権現岳〜赤岳)同様、急行アルプス号に乗車する。金曜日の夜行のわりには列車はすいており、座席2つに広々と座り仮眠する……。                          

1月31日(土) 天候 曇のち雪 小淵沢 --<JR>-- 野辺山 --<タクシー>-- 登山口(7:45)-- 上の林道(10:05) -- 三又峰(13:45)-- 横岳ピストン --三又峰 -- 行者小屋(15:50) 

先週同様、小淵沢駅にて下車し、ホーム上の覆いのある“待合せ室”にて仮眠し、6:18発の小海線の始発に乗車する。野辺山で下車、タクシーに乗り込み、横岳登山口へ向かう。辿り着いたのは、『杣添口登山口』の看板と登山者カードボックスの設置されている場所で、ここでタクシーを降り、7:45に出発する。しかしここから『上の林道(南八ヶ岳林道)』までの間が、非常にわかりづらい。というのは、積雪が多いため、ヤマケイ12月号の32頁に記載されている“登山口”より、はるか手前でタクシーを降りる羽目となったためだった。タクシーを降りた(降ろされた)“偽の登山口”からさまようこと2時間余、ようやく“真の登山口”を探しあて、10:15 に『上の林道』(南八ヶ岳林道)に到着し、安堵する。 これより登山道は、明瞭なトレースがあり、快調に登って行く。杣添尾根自体は困難な所はなく、緩い傾斜をひたすら登って行くことに没頭する。尾根上で幕営する予定がトレースのお陰で、13:45に三又峰(縦走路)に到着する。縦走路はさすがに風雪が強く、時おり耐風姿勢を取りながら横岳までピストンする。頂上に到着するも、のんびり一本取れるはずもなく、来た道を戻る。この先、地蔵尾根の分岐までの間、風雪でトレースが完全に消えている所があった。特に稜線の西側を回り込む所でもたつき、通過するのにかなりの時間を浪費する。地蔵尾根分岐から慎重に尾根上部を下ると、ほどなくして風は止み、急に穏やかになる。15:50 、行者小屋に到着、幕営する。
   
2月1日(日) 天候 快晴 行者小屋(7:05) -- 硫黄岳 -- 東・西天狗(10:50)-- 唐沢温泉 (14:05) -- 渋辰野旅館(15:25)
 昨日の風雪で少々弱気になり、今日はとっとと撤収して美濃戸 9:00 発のバスで帰ろうと思っていたが、余りにも天気が良いため、北八ヶ岳方面を歩いてみることにする。7:05に行者小屋を出発し、赤岳鉱泉を経て硫黄岳へ向かう。硫黄岳のただっ広い頂上で、昨晩風雪の中、横岳(稜線上)でテントをかぶってビバークしたという青年と会話を交わす。硫黄岳からは北へ進み夏沢峠へと下る。この時期は山小屋(やまびこ荘、こまくさ荘)は閉鎖され、ひっそりとしている。夏沢峠から平坦な樹林帯の道を進み、一登りで東天狗に到着、すぐさま西天狗に向かう。ここからの展望は、さすがに北八ツ唯一とあって、横岳、赤岳、阿弥陀岳が一望される。西天狗頂上で大休止を取った後、唐沢温泉へ至る西尾根を下っていく。上部の岩稜帯を過ぎると、太ももぐらいの深雪となる。トレースはなし。アイゼンからわかんに履き替え、ラッセルする。下りとはいえ、やぶっぽい樹林帯のラッセルはしんどい。14:05 、閉鎖中の唐沢温泉に到着する。ここから先は林道を渋辰野旅館へむけてひたすら歩く。途中の『八方台』という丘陵部から渋辰野旅館そばまで、冬季は林道がそのままクロスカントリーのコースになってており、その上を歩いていく。15:25 、渋辰野旅館に到着、終バスは10分前に発車しており、先週同様タクシーを呼んで帰路に就くこととなった……。