大人の味・初冬の日だまりハイク〜(奥秩父・両神山 八丁峠コース)
  村瀬 みゆき

期  日 1997年11月30日(日)     
メンバー 人見邦明・村瀬みゆき   
  天候 晴れ時々曇り  落合橋(9:25) -- 八丁峠(10:05) -- 西岳(10:55) -- 東岳(11:40) -- 両神山頂(12:1013:15) -- 落合橋(14:20)

 私は2回目、人見さんはもう何回目かわからんという両神山へ、今年の3月に引き続き出かけた朝はまたも雨。しかし関越を走るうち天気予報どおり雲が切れ、青空が広がってくる。中世ヨーロッパの油絵の空みたいだ。(キミに理解できるかな?)

 同コースを3時間で回ったという坂井さんにライバル意識を燃やす人見さんは、八丁峠まで登ってタイムではもはや勝てないと悟ったのか、「今回は、私は鎖に一切さわりません!!」と高らかに宣言。プラス「雨のため岩や木の根がすべる。」更に「先週は毎晩飲んだくれていたので今日は体調が悪い。」更に「足が冷えてダルい。」などなど次々と負荷要因を並べ続ける。

 期待していた岩場は「妙義と比べてぜんぜん平気よ。」という人見さんの言葉どうりだったが、私にとってはけっこう楽しかった。南西方面にはあいかわらず雲がたれこめていたが、北東方面の上州や関東平野は好展望で、二人しばしば見入る。山頂では食当の人見さんが用意したおでんとおにぎりとカップラーメンと燗番娘で憩いのひととき。また下り道の途中でも、初冬のすっかり落葉したダケカンバの林を見ながら、しばらくゆったりする。聞こえるのはただ頭上高くかすめる風の音、はるか下から聞こえてくる沢の音、そして時々思い出したように鳴く鳥の声のみ。静かだ...。
 日の光があたると、ダケカンバの幹が白く輝き、風が吹くと静かにゆっくりと左右に踊る。少々もの悲しくも、非常に落ち着く光景だ。まさに冬の低山の魅力だろう。良いねえ!良いねえ! 久しぶりにちょっと大人の山行ができた。