伊豆・城山 山遊記

山 城 宗 健

期  日  1997年5月10日(土)〜11日(日)


メンバー  酒巻澄江、水野二朗、山城宗健 



  久々の酒巻さんと、ジローを伴って城山へちょっとハイキングのつもりで出掛けた。



 5/11 午前9時起床。前夜吐くほど飲んだのに睡眠十分で余り頭が痛くない。快適に朝を迎えることが出来た。非常に珍しいことである。北稜で入山の次の日に二日酔いに見舞われずに無事に朝になったのは、何時以来だろうか。今朝のメニューは味噌汁にざるそばでその食事が朝からちゃんと食べられることの幸せ。駿河湾を前にテントを畳んで朝食にとりかかる。食事とおしゃべりであって言う間に1時間。

  11時、城山へ移動。酒巻さんとは途中で別れて、ジローと二人南壁に向かう。相談の上、三日月ハングにルートを取る。初めてのルートで要領を得ないが、今回は上に行くことを目標にする。1P、山城。取り付きから左側のバンドへ。細かいホールドや、微妙なスタンスを避けて上に上に。5.8位か。2P目、ジロー。バンドで少し歩いて上がり、取り付く。いきなりかぶり気味なので避けて右に回り込むように上へ。さらに右に上がる。慎重に行くので時間は掛かる。なんと言っても、全てのピンがリングボルトで錆だらけなので体重を掛ける気がしない。右上して三日月ハングの下でビレー。直ぐにフォロー。やはりセカンドは楽だ。それでも5.10は無いかも知れない。この辺りから、こちらは咽がからからで、唾を飲み込んで3P目。既に垂直距離で50メートルは上がってきているだろう。結構高度感はある。再び山城リード。最後の1ピッチのつもりでグイグイ行くが、傍目にはのろまであったに違いない。最後のハングは真っ直ぐに越えられず、回り込んで上がる。ハングを乗り越して上の大きな鎖でビレー。ジローを迎える。最後の釣瓶である。フラットソールで足が痛い。心地よい風が吹き抜けていく。眼下に狩野川や大仁の町を見ながら、スタンディングビレー。かなり高く迄上がってきている。ジローがどんどん上がってくるので、ゆっくり景色を見ているヒマはない。3P終了後、最後の1ピッチ。高度で数メートル上がって終了にする。城山には何回も来ているが、この高さまで上がったのは初めてで、100メートル程でも上がった気が十分にする。咽は渇くし、足は痛いし、ロクでもないが、下りは懸垂下降で一気に下る。懸垂3回で、漸く地面についてほっとする。

  既に3時に近い。早々に片づけて駐車場へ。難易度はともかく上に上がったことで当初の目標は達成できたと思って良いだろう。下ではブラッディマリーを登っている人がいたが、今日の我々には関係ない。この日、我々が登った高度が一番高かった事にして置けばいいだろう。酒巻さんは待ちくたびれたのか、先に駐車場に行ってしまった。まさしく、ゴクロウサンで今回の登攀で我々も疲れた。取り付きについて一番最初にしたことは咽を潤すべく水の一気飲みである。天気がイマイチだったが、なんとか持ったようだ。上部では風がひっきりなしに吹いていて随分涼しかったのに、下に降りてくると蒸し暑い。

 そう言えば、昨日は豪華な夕食であった。カツオのたたき、いさきの刺身、ウインナーの串焼き、そして極めつけが焼き鳥である。この焼き鳥の出来映えたるや、もう玄人はだしも良いところでジローは焼鳥屋の親父として充分第二の人生を送ることが出来るだろう。これからの必需品として、焼き鳥用の網を皆様にお勧めする。これだけのおかずに、ビール1リットルと日本酒一升、焼酎わずかを今回は消費した。

 次は誰と何処に行こうか!