楽しい半袖生活(冬山に備えて)


 
当会元代表N氏のお姿
(マウスカーソルをあてると冬のお姿が見られます)

毎年涼しい時期でも半袖でいる変わり者がどこの会にも何人かいることと思います。端から見ているとただの変わり者にしか見えないと思いますが、その裏には高邁な思想と高潔な人格が隠されているのであります(?)。

 冬に全裸に近い格好でいる奴を見ると私などは思わず近付いていって一献差し上げたくなってしまいますが、通常の人の場合は思わず半径1km以内には近付きたくないなと思ってしまうのが普通でしょう。

 このように耐寒訓練において本当の敵は寒さよりも"社会の目"なのです。冬に涼しい格好でいるのは秋口から徐々にならしていけばそんなにつらいことではありません。(昔のアイヌの人たちの冬の格好を見ればよくわかると思います)

 自分が学生の時分は、山岳部員はみんなそろって汚いTシャツで過ごしていたので、赤信号みんなでわたれば何とやらで何とかなりました。最低気温零下十度に達する甲府の冬でもTシャツ一枚で何とかなったものです。ちょっと寒かったらダブルヤッケを羽織れば天にも昇る暖かさを感じることができました。お陰で通常の冬用の衣料は買わないですむという天国のような学生時代でした。

 しかし、健康な社会生活を営む市民にとっては、私やNさんのようにやくざな商売をしているならまだしも、寒空の下シャツ1枚で生活していると対人関係において致命的な結果を招きかねません。

 そういう場合には一見暖かそうな格好をする、とりあえず着るものを人から見えるように持って歩くなどの工夫が必要になってきます。もしくは開き直って変人の烙印を甘んじて受けましょう。

 冬に半袖一枚でいることの利点は、まず山に行ったときに荷物が軽く小さくなることです。防寒衣料の重さと嵩は結構馬鹿になりません。

 他にも、いざというときの生存可能範囲が広がる、家計の衣料費及び光熱費が安くなる、ちょっとした暖かさで幸福を感じられる、少し飲み過ぎてステーションビバークするときにも翌日の仕事にさわりが出ることも防げる等の数々の利点が考えられます。

 逆に難点は建物の中が暑すぎること。冬といえども東京に生活する私たちはその行動のほとんどが暖房の入った電車であったり建物であったりするはずです。逆に言えば都会にいるときには年中春みたいなものともいえます。

 多少涼しいなと思ってもそのまま我慢しているとそのうち馴れます。その繰り返しで徐々に寒さになれていくのです。完全に寒くなってからある日突然思い立っていきなりTシャツ一枚で出歩こうなどというのは無理です。秋口から徐々に慣らしていかないと快適な半袖生活は営めません。馴れてくると服を着るのが面倒になってくるぐらいです。

 薄着をしているのに風邪をひいたりすると薄着のせいにされがちですが、厚着をしていても風邪はひくでしょう?服を着れば風邪をひかないというものではないのです。薄着が普通の状態になっているのですから条件が悪ければ風邪もひくのが普通です。そういう理不尽な言いがかりを付ける人には、そんな温かい格好をしているのに風邪をひくのは如何なる理由か是非反問しましょう。


地球温暖化防止のためにも冬も半袖を励行しましょう。