苗場・雁ヶ峰 山スキー

日程 : 2017年3月19日-20日
メンバー : アンドー(L)、いた、アトム、あず、ハギ(記)

【19日】
宿に前夜23時すぎ着、起きてみれば雨で、皆のモチベーションはだだ下がる。 とりあえず行ってみましょう、ということで出かけると、上は雪。雨でなくてよかった。 しかし本格的な降雪となり稜線にはガス、当初は本日が雁ヶ峰、明日は神楽峰ルートか中尾根ルートの予定だったが、ゲレンデスキーに変更した。 夕方宿に帰ると、私はすぐさま温泉入ってビールが飲みたくソワソワするが、そう簡単にはいかない。 裏庭でアンドーLによるビーコン訓練。ビーコンを使うのは久しぶりであやふやなこともあったのでありがたい。夕食後は部屋で宴会、すっかり気持ちよくなり、皆のたのしそうな声を聞きながら居眠り。

【20日】
第5ロマンスリフト上(10:15)=中尾根の頭(11:05)=清八の頭(12:25/12:40)=黒岩ノ平(12:55)=雁ヶ峰(14:25)=スキー場下山ルート終了地点(15:30)

GPSの軌跡

ロープウェー、ゴンドラ、リフトを乗り継いでスキー場トップに到着。 10:15計画書を提出し、ビーコンチェックを受けてゲートを通過。 ちょこっと登るだけでもダメなのか、と後ろでゲレンデボーダーのグループが交渉していたが、「ここから先は登山の領域ですから」とあえなく却下されている。 何年か前に来た時は計画書の提出のみで、ゲレンデから「ちょこっと」登る人も沢山いた。厳しくなってるんだなぁ。。。

神楽峰の方へ行くトレースと途中で分かれて、中尾根との鞍部へ向かう。昨日と打って変わっての天気で、既に汗ばみ、アトムさんの「脱いでいいですか!」を待っていたように揃って上着を脱ぐ。広い斜面をのんびり登って、中尾根の頭へ到着。 どうせすぐ登りだから、とシールをつけたまま、霧ノ塔手前の清八の頭の鞍部を目指して下る。ここは面倒でも、アンドーLに倣ってシールを外した方が楽しかったと思う。

清八の頭のピークまでは、今回のルート中、所要時間は短いが一番傾斜がキツい登り。ジグザグにゆっくり登る。雪が固い時はアイゼン必須だろう。暑い。日焼け防止に鼻まで覆っているせいもあるが汗だく。暑いよ〜。最年少のあずちゃんは山スキー2年目とは思えない巧みなスキーさばきで、サクサク登っていってしまい羨ましく見送る。汗だくの登りの後は、昨日の悪天候も今日の晴れのためだったに違いないぞと、景色最高のピークを堪能。存在感ありまくりの苗場山へと、稜線は続いている。

清八の頭への登り

ここから雁ヶ峰へと繋ぐルートを地図と実際の景色と照らし合わせて全員で共有して出発した。ピークを少し外してから、トラバースしてピーク直下の気持ちのよいオープンバーンの広い尾根に回り込み、黒岩ノ平という平坦な場所にすべりこんでいく。昨日の新雪で雪が思いのほかよく、フワフワの雪を満喫!といいたいところだが、ゲレンデの圧雪面のイメージで突っ込み、スキーを引っ掛けてまずしょっぱなからコケる。ふかふか!!と再認識して、雪まみれになりながらニヤニヤしてしまう。気を取り直し、まだ誰も滑っていない斜面をたのしく堪能して、傾斜が緩くなる大雪原へ。 ここらへんがテンションが最大上がったところ。

黒岩の平へ
黒岩ノ平から清八の頭を見上げる

黒岩ノ平の端まで来たら現在地を確認し、進行方向を切り替えて雁ヶ峰に向かう。右側の雪庇に近づきすぎないよう、左側の谷に下り過ぎないよう注意しながら下り、最後の登りへ。雁ヶ峰のピークは広く、のんびりしたい場所だ。真っ白な谷川の国境稜線が連なっているのがくっきりと見え、改めて今日の穏やかな好天に感謝。

中央左のPが清八の頭(たぶん)

あとはスキー場に向かって下るだけ、最後の滑りを楽しみたいが、雪は大分重くなってターンが難しくなってくる。 さらには段々傾斜がキツくなってきて、木々の間を縫いながら斜滑降+横滑り+キックターンで騙し騙し。もはや快適とは無縁、集中して黙々と下る。何度か進行方向を調整し、すぐ下にゲレンデが見える所まできた。最後の落差10M程度が一番緊張した下り、私的にはスキーを担いで後ろ向きに四つん這いで降りたくなる傾斜だったが、そういえばピッケルがない。残念。いたさんのルート取りを真似てなんとか降り、ゲレンデに合流。よかった〜。いやーまだまだだ。 まだまだだけど、好きこそものの、なんとやら。また、よろしくお願いいたします。

 

爺ヶ岳東尾根

日程:2017年3月18~19日
メンバー:コバ(L)、ウエ(記)

コースタイム
3/18 7:30 登山口〜10:40 JP〜11:40 P3〜14:00 P1
3/19 7:30 P1〜9:00 爺ヶ岳山頂〜9:45 P1〜10:15 下山開始〜12:00 P3〜13:00 JP〜15:00 登山口

3/18(土)快晴

前夜23時頃に都内を出発し途中のSAで仮眠をとった後、早朝旧鹿島山荘前へ。
7時頃到着の時点で6台ほどの駐車スペースはほぼ満車だ。
準備を整えて7:30に出発する。
民家の脇を通り抜け、おばばの碑が登山口の目印。
かつては鹿島槍の最も一般的な登山口はこの鹿島集落で、「おばば」こと鹿島山荘の狩野きく能さんは歴史的な登山家を幾人ももてなした有名な方なのだそう。
その向かいには「爺ヶ岳東尾根冬期登山口」の看板も。冬の北アルプス入門ルートとして人気のようで、同じ日に8パーティくらい入山していたのではないだろうか。

Ggatake01おばばの碑

登山口からはイキナリの急登だ。
稜線に出るまでの約2時間半、ひたすら登る。幸いトレースはしっかりだが、晴天すぎて暑さがつらい…

Ggatake02急登!

稜線に出てしばらくすると丸山から派生する尾根と交わるジャンクションピーク(JP)に出る。爺ヶ岳も鹿島槍も見える。素晴らしい展望にテンション上がる。

Ggatake03鹿島槍が見えてきた

山頂はすぐ近くのように見えるが、その手前にはこれから通る予定のP3、P2、P1が連なっている。手強そうな予感だ。

Ggatake04右奥から鹿島槍、爺ヶ岳北峰、中鋒、P1。その手前にP2、P3

今回の計画は初日P1でビバークし、2日目に爺ヶ岳経由で鹿島槍まで往復するA案と、初日にP1まで到達しない場合はP3に幕営し、2日目は爺ヶ岳だけを往復するというB案を用意していた。鹿島槍にアタックする場合は2日目に冷池で幕営する縦走スタイルが一般的なようだが、重荷での行動に不慣れな私のために、コバさんがP1からの往復を提案してくれたのだった。
なので、翌日の鹿島槍に希望を残すため、なんとしてもP3を目標タイムで通過してP1で幕営したいもの。
ペースを上げてP3の目標タイムはクリア。しかし…バテていた。
P3は本日の幕営の準備をするパーティーで賑わっていた。豪華な風除けが残置されていたり、なかなか寝心地が良さそう…

Ggatake05P3は快適そうなテン場だ

でももうひと頑張りして、さらに進む。
P2の手前は少し痩せ尾根。この日は幸い快晴無風なので風景を堪能しながら気持ちよく歩けた。

Ggatake06P2は高度感がある

その後再び樹林帯を通り、最後に急登を必死の思いで乗り超えるとP1の広大なテラスに到着だ。
P1は遮るものがなく、間近には爺ヶ岳の山頂と鹿島槍、遠く槍ヶ岳まで見渡せる絶景が広がっていた。

Ggatake07槍が見えた!

ここまで辿り着けた達成感を感じつつ、ビバーク準備を整える。
地面はアイスバーンの上に薄い雪が乗った状態。コバさんががんばって風除けを掘ってくれたが、だいぶ苦労した。

Ggatake08P1から爺ヶ岳山頂を背景に

テント内で宴会をしているうちに日が落ちて、気温が下がり、風がでてきた。
風がどんどん、どんどん強くなり、テントが傾き始めた…。
この風は激しくなる一方で、夜中中風がテントを煽る「ドドドド」というマシンガンのような音は止まず、ただただテントが飛ばされないことを祈って眠りについたのだった。

3/19(日)吹雪のち晴れ

翌朝、風は幾分収まったが、外は雪。視界はほぼゼロ。
出発を遅らせ様子をみたが、天候は回復しそうにないので、軽身での爺ヶ岳往復だけ決行することにした。
P1の広い尾根に一晩で30センチあまり雪が積もった為、シュルントや雪庇に注意しつつ歩いた。視界が悪くトレースも消えてルーファイも難しい。昨日とは何もかも違う状況の中、新雪と強風で思うように歩けない。
なんとか頂上に立ったものの視界ゼロ。証拠写真だけ撮影してそそくさと下山した。

Ggatake09撤収前のP1

撤収して、昨日通った道を下山していくが、ここからが長かった。
下山中に天候は回復し気温も上昇、雪はみるみるうちに腐っていく。涼しい顔でスタスタ降りていくコバさんを必死に追いかけながら、なかば滑り落ちるように無様に降りていく私であった。

最後に…
気長に見守ってくれたコバさんには感謝してもしきれない。
自分の歩きや雪山での振る舞いは大きな課題が見つかったが、天候によって全く違う姿を見せる冬の北アルプスを体感できたことは得難い経験だった。
そしてこの時、爺ヶ岳の山頂から見えるはずだった雪の劔を見たいと強く思い、GW合宿の五竜岳山行への参加を決めただった。