妙義 木戸壁右カンテ(西上州シリーズその2)

日程: 2016年12月30日
メンバー: みなと、けんた(記)

5:52 霞ヶ関駅(埼玉県)集合・出発
7:45 駐車場到着・準備
7:55 出発
8:30 取り付き
10:40 登頂
12:10 取り付き
12:55 下山

みなとリーダーにお誘い頂き、西上州シリーズその2である。
前回の筆頭岩からおよそ1ヶ月後、軽い気持ちで家を出たが、南浦和駅での電車の接続待ちが、寒い。朝霞台での電車の接続待ちが、ものすごく寒い。霞ヶ関駅でみなとリーダーと集合した際には、すでに戦意喪失。寒くて手がかじかんで、岩を登れないのではということで、ハイキングにしようという話になる。
国民宿舎の駐車場に到着して準備をする。気温は低いが向かう岩場は日が差しており、とりあえず行けるのではないかということで取り付き点へ向けて出発。取り付き点へ向けての登山道は、ちょっとした岩場のアップダウンを繰り返しながら進む。ところどころ、初心者は引き返してくださいという看板が見られ、さすが裏妙義という気がした。
30分強で取り付き点へ到着し、岩屋根の下で準備をする。この時点ですでにたどん状の岩が見られる。試しに、岩を握って力を込めてみると、取れた! 他の岩でも試してみるが、取れた!!
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この時、前評判通り、ここの岩場のホールドは、信じられないことを悟る。
ここでもやはり、みなとリーダーから何ピッチをリードしたいか聞かれ、即座に奇数ピッチを希望。事前の情報を見て、やはりラクに快適のモットーを優先させる。
とはいったものの、1ピッチ目は、全く持っての垂壁。ホールドはあるのだが、こいつ本当に信頼できるのという思いから「スタートできないんじゃね」という不安に駆られる。ネットの山行記録にあった3点支持を意識し、ホールドが取れないことを確認しながらおっかなびっくり登る。
2ピッチ目、たどん状のホールドやボルトが豊富にあることはあるのだが、みなとリーダーもなかなか進まない。やはりホールドが取れないか確認をしているようだ。

3ピッチ目は、松の木を目指して登るピッチで、ルートが分りやすく、また2ピッチ目より斜度も緩やか。登りやすいピッチであった。
4ピッチ目。全ピッチの中でいろいろな意味でここが一番登りづらいピッチであった。ルートを右上に取った後、カンテを左上するのだが、まず左に切り替わる地点がいやらしい。
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ホールドの少ない垂壁なのだが、1つだけいかにも乗ってくださいと言わんばかりのたどんが1個(上の写真でも見られます)出っ張っていた。みなとリーダーは、このたどんに足を乗せて良いものやら、大分悩まれていた。他にホールドがあれば、それに越したことはないのだが、どうやらこのたどんしかない。最後は思い切って、このたどんに足を乗せて、上へ上がられていた。ちなみに私は、みなとりーだーが乗って大丈夫なら、自分は確実に大丈夫なはず、ということで迷わず足を乗せることができた。また、みなとりーだーが登り切った後、私のフォローの際に、青のダブルロープがたどんに引っかかって、うまくロープが張れなかったため、赤ロープのみをたよりに登ることとなった。セカンドで登るにも緊張するピッチだった。
5ピッチ目も、3ピッチ目と同様、緩やかなルートかつ短いルートであっけなく終了。
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インターネット上の山行記録を見ると、5ピッチ目よりも上へ登られている記録もあるのだけれども、特に眺望が望めるわけではなく、このピッチで終了させ、懸垂下降に移る。懸垂下降ルートも上ったルートを辿るように降りる。たどんにロープが絡むことを恐れて、ダブルロープ一本で下降を開始。最初の3ピッチは問題なく降りられたのだけれども、次のピッチでロープが絡んでしまった。二人で力を入れて引いても、全然動かない。仕方なく、もう一本のロープでみなとリーダーが登り返し、事なきを得る。やはり本番のルートではダブルロープが必須である。
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振り返ってみると、それほど難しくはないルートではあったが、絶えず緊張が強いられたルートであった。ただ、その緊張のおかげで、岩を落とすことなく集中して登ることができた。今後の本番ルートに向けてのいい経験になったというのが実感である。

<ミナト記>
全てのホールドが信用できない… しかし、これでもか!という程打たれているボルトのおかげで登ることができた。もう見るからに「このホールドはヤバいな」という場面では、躊躇なくA0しちゃったし、「足を置いたホールドが落ちたら、ケンちゃんに直撃しちゃうかも」なんて場面でも、躊躇なくボルトに足を乗せちゃいました。
最初にこのルートを登った人は相当な精神力の持ち主だったに違いない!ハーケンは効かないので、取れちゃうかどうか判らない「たどん状ホールド」にスリングを掛けてランニングにして、登って行ったのだと想像すると…私には絶対に出来ません!!
でもこの岩場のロケーションは素晴らしいですよ。たかだか千メートル程の山とは思えない岩山景色です。南面なので日当たりは良く、赤城おろしの風も遮られてけっこう暖かいし、スカッとした高度感が最高です!ルートも易しいし(ホールドが大丈夫なら)、初級者のマルチピッチ練習にちょうどいいと思いました。ただ、アプローチがヒルの生息地なので5月~10月はNGですね。

2016年12月雪上訓練 谷川岳

日程:2016年12月17~18日

メンバー:サブ(CL)、ケンタ(SL)、ツカミ、ミナザ、ミヤユミ、ササ(記)

■12月17日(土)
9:30   谷川岳ロープウェイ駅集合(佐々木遅刻10:50着)
12:20  熊穴沢避難小屋到着
テント設営
14:20  テント内にてロープワーク復習
・ヒマラヤコンテ
・諸注意
16:40  夕食
20:00  就寝

しょっぱな電車遅延で遅刻。
本来の集合場所ではなく、谷川岳ロープウェイで待ってくれているサブさんと合流する。
他のメンバーは先に出発していたためすぐに追いかける。
雪はパラついて平地でもひざ下まで積もっていた。ロープウェイ側の斜面では5~6組ほどのパーティーがラッセルや滑落停止訓練を行っていた。

待ってくれていたメンバーと合流し、幕営予定の熊穴沢避難小屋を目指す。
道中は人もテントも多くトレースはばっちりついていたので歩行はかなり楽だった。

1日目テント幕営地熊穴沢小屋

ケンタ、ササが先行し熊穴沢小屋へ到着し幕営スペースを確保。
全員合流しテント設営。

テント設営後は中でサブ、ケンタにてロープワーク講習。
2日目の実習に備える。

夕食担当はツカミ。

ツカミさんの美味しい夕食

とてもおいしく品数も多かった為、少々食べ過ぎた。
各自持参の酒でささやかな宴会をし1日目終了。

 

■12月18日(日)
4:00   起床
6:00   出発
8:15   肩ノ小屋到着
8:45   トマの耳到着
9:50   熊穴沢避難小屋到着
・テント回収
・アイゼン装着
11:05  熊穴沢小屋出発
12:10  谷川岳ロープウェイ駅付近の斜面にて雪上訓練。
・滑落停止訓練・・・初期制動
・ヒマラヤコンテ
・スタンディングアックスビレイ(あくまで参考として)
12:40  谷川ロープウェイ駅発
日の出前の暗いうちから出発。

日の出。今日もお天気は良さそうだ
準備を整えて出発

風は強いが雪も降っていないので行動しやすかった。ふと気づくと既にずっと先まで
トレースがついていた。天狗の留まり場に到着する前にラッセルをしていたパーティーに合流した。若い男性3人のパーティーで話を聞くと早朝から延々ラッセルしていたという。
私たちも混じりラッセルする。やっと雪訓らしいことができた。

ようやく雪の量もそこそこになってきた

雪は時に腰までありとても深い。浅い部分は足を上げなくていいので疲れないが腰ラッセルは踏む→膝で固める→足で固めるこの一連の流れが辛く体力を消耗する。

交代しながらなんとかトマの耳へ到着。
強い風が吹いているが晴れていてとても眺めがよかった。

トマの耳

今回はトマの耳までで下山。
最後に谷川ロープウェイ駅の前の斜面で滑落停止、ヒマラヤコンテの練習をして
今回の雪上訓練は終了した。
谷川は積雪も多い為、多くのパーティーが訓練していて異様な光景だった。
だが実際歩いてみて雪訓にはもってこいだと感じた。

 

 

妙義 筆頭岩(西上州シリーズその1)

平成28年12月4日
【メンバー】みなと、けんた(記)

5:52 霞ヶ関駅(埼玉県)集合・出発
7:30 駐車場到着・準備
7:40 出発
10:20 登頂
11:30 下山

みなとリーダーにそそのかされてダブルロープを購入したのは、1年半以上前、それ以降ダブルロープを使ったのは、雪訓で1回とサブリーダーの元での岩トレで1回の2回のみ。今回、ようやくみなとリーダーにダブルロープの使い方をご指南頂く運びとなった。ちなみに今回ご案内頂いた筆頭岩は、日本の山を世界に紹介したかのウェルター・ウェストンさんも登られたということで、俄然やる気が出てくる。
早々に出発したことが奏功し、まだ人が少ない、駐車場に到着する。手早く準備を済ませ、出発。しばらくは車道歩きが続くが、だんだんと目の前に筆頭岩が迫ってくるのが圧巻だった。見た目はプチ槍ヶ岳。
車道から登山道に入るのだが、各種記録に見られるように、ここが核心であった。狭い道を進むのだが、浮き石がゴロゴロ、すぐ下には車道が走る。当然、岩を落としてはならないが、自分が落ちるのではないかという恐怖におののく。慎重に、慎重に進み、取り付き点へ。
みなとリーダーから何ピッチをリードしたいか聞かれ、即座に奇数ピッチを希望。事前の情報を見ていても、厳しいピッチは、偶数ピッチに集中していた。ラクに快適にがモットーです。
1ピッチ目は、階段状の登り。練習のため、こまめにランニングを取りながら登る。

1ピッチ目

2ピッチ目から斜度が増していくが、みなとリーダーの落ち着いたクライミングにより、難なくクリア。

2ピッチ目

3ピッチ目も傾斜は急であるが、ピークを越えた先がナイフリッジになっている。リードという事もあり、恥も外聞もかなぐり捨てて、這い這いで進む。みなとりーだーからは見えない位置だし、証拠写真は撮られないので安心だ。ちなみに、左側を見ると切れ落ちた崖なのだが、右側を見ると単なる雑木林になっていた。落ちるとしたら右だなと縁起でもないことを思いながら進んだ。

3ピッチ目

そして核心の4ピッチ目へ。垂壁に近い壁。自分はリードしたくないなあと思いながら見ていたが、みなとリーダーは淡々と登っていった。セカンドで登ると、安心感からすんなりと登ることができた。

4ピッチ目

頂上からの眺めは良く、遠くまでしっかりと見ることができた。

頂上

頂上で軽く食事を取り、下降を開始する。今回はダブルロープ2本を使用して、2ピッチで下降。1ピッチ目は岩を落とさないように注意しながら下降。特に問題なく降りたが、2ピッチ目で私が支点に思いっきり負担をかけてしてしまいながら、懸垂下降を行ってしまった。みなとリーダーから本ちゃんルートでの懸垂下降は支点に負担をかけないようにしっかりと教えて頂くことに。
取り付き点に戻ってから、また車道までの登山道を戻ることになるが、最初と同様、かなり注意しながら歩く。車道を見ると峠を攻める車やバイクが頻繁に登ってくる。岩を落としたら本当に大事故になってしまい、最初よりも緊張しながら慎重に歩く。車道についてようやっと安心できた。安心からか、帰りの車では爆睡してしまい、途中から記憶がない・・・。みなとリーダー失礼しました。
ダブルロープを使った本番のルートは、今回が初めて。筆頭岩はそれほど厳しくなく、経験を積むのにちょうど良かった。また、西上州の山々が楽しめ、関東からも近い。今後も西上州の岩場を楽しんでいきたいと思う。(ただし、ヒルの出ない時期で。)

筆頭岩
<みなと記>
初めての西上州なので、最も易しい岩場にしました。ちょっと岩慣れた人ならロープ無しでも行けちゃうと思う。一応の核心となる最終ピッチには鎖もあるし(ボロボロですが)。
ですので、岩登りの楽しさ的には期待できないが、ハイグレードハイキング的な面白さや、初心者のマルチピッチ練習にはちょうどいいと思います。あと、妙義の岩峰群の景色が素晴らしいです。新緑の頃にまた行きたい!