穂高夏合宿(本隊)

●日程8月10日~8月14日
●メンバー:ミナト・笹田・サブ・かおり(記)

●記録
8月10日 はれ ☀ (上高地~涸沢)
縦走隊2班・登攀隊がタクシーにて上高地に11時ごろ到着。順調なスタートをきった・・・はず、であった。
私はこの時、涸沢で起こる、身も凍るような瞬間をまだ分っていなかった・・・

天気にも恵まれ絶景の中、涸沢に向かい楽しく足は進む。本谷橋を過ぎて登りが急なり、しばらくすると、前方から1日早く入山していたミナト大隊長が重荷をピックアップに来てくれる。感謝感激。
17:40分涸沢到着。こちらも先に入山していたカトー氏がお出迎え。テントの用意も万事整えられていて上げ膳据え膳状態。しかし膳は私といしづかみ氏が担当。さっそく調理の準備に取り掛かろうと荷を解くと、登攀具を入れたアタックザックが無い!
たまねぎを握り締めながら、オタオタとザックを再度見るが、やはり無い!
風邪を引いて具合の悪いミナト隊長へ「登攀具忘れた~」と泣きつく。
「大丈夫。いらないよ~」とミナト・笹田氏。穂高の山々の様に懐の広い男だ。感慨無量。

01-穂高本隊

上高地にて出発前の集合写真 やっぱり忘れているよ・・・登攀具・・・

8月11日 はれ ☀ (涸沢~穂高岳山荘~奥穂~前穂~穂高岳山荘)
3:30起床。北穂東稜の予定を変更し、ザイテングラード経由で穂高岳山荘を目指す。真夏の雪渓歩きは都心の35度を超える気温を考えると実に贅沢だ。
山荘到着。テントを設営し、体調の悪いミナト氏をデポし、残るメンバーで前穂をピストンする。これが非常に長く辛いピストンであった・・・
奥穂山頂を過ぎたあたりで、ジャンダルムの西穂縦走隊と「ケッチボー」を交わす。いしづかみ氏の声が良く通る。吊尾根の最低暗部から紀美子平の分岐までが長い・・・
復路、疲弊しながら歩いている私たちに前方のおっちゃんが手招きする。子連れ雷鳥発見!最低鞍部よりも低く落ちていた私たちのテンションも一気に上がり、なんとか山荘到着。先に宴会を始めていた縦走隊とともに、ケン氏渾身の晩餐会。

8月12日 はれ ☀ (穂高岳山荘~ジャンダルム飛騨尾根~穂高岳山荘~北穂テン場)
2:30起床。本日からは縦走隊2班と分かれての行動。登攀具一式を忘れた私が言うのも何だが、不安一杯。
3:50山荘出発。アタックザックのみで、前日遠望したジャンダルムへと向かう。サブちゃんを先頭に奥穂への暗い道を登る。前のパーディの男性が穂高に似つかわしく無い仮装をしており、馬ノ背越えの記憶がレオタードの尻で終わる・・・

02-穂高本隊

足場が悪く、壁にへばり付いて下降

03-穂高本隊

トラバース。一番怖かったかも

5:42下降点到着。一般道よりはずれて、ザレ場を下る。途中一個の落石から小規模の岩雪崩がおき、谷底まで音が響いて、かなりビビる。笹田氏に続きサブちゃんが先にトラバースを抜け写真をポチっと撮ってくれているが、このとき私の後方に居るミナト隊長は、弱音ブツブツ。来年の合宿は燕岳3泊4日になるんじゃないかと真剣に心配する。

04-穂高本隊

トラバースし、支稜を越えるとT2に到着

T3からT2はコンテで行くような状態だと言うことで、T2より登り始める。
飛騨尾根は、サイの角に見える。
6:40準備を整えミナト隊長が先陣をきる。つづいてフォローのサブちゃんの登り。
笹田氏がリードで登り、一人ぽつ~んとT2に残されたときは、寒くて寂しくてちょっと悲しかった。
登りは、足がしっかりかかり、私でもなんとか登れたが、岩が冷たい。
8:00 T1に到着。広めのテラスになっており、空中庭園のようだ。お日様があったかくて、ありがたい。小休止。

05-穂高本隊

T1のテラスにて。槍や笠ケ岳が絶景

06-穂高本隊

登ってきた岩を見下ろすと谷底まで切れ落ちていて高度感が!

T1からジャンダルム頂上までは、サブちゃんがリードでグイグイ登る。つづいてミナト隊長。笹田氏より、「行け」と言われ私もリード気分。
9:00ジャンダルム登頂。

07-穂高本隊

ジャンダルム

頂上より懸垂下降でジャンダルムを下る。晴天のなか往路を戻り穂高岳山荘へ。11:50山荘着。
テントを撤収し、北穂テン場へと向かう。12:50山荘出発。
しつこい様だが、登攀具を忘れた私が言うのも何だが、「何故この荷物(重)で穂高を毎日移動?!」
涸沢岳から北穂までの岩稜帯の厳しいこと・・・筆舌に尽くしガタシ。私だけかもしれないがヘロヘロになりながら、16:15北穂テン場着。ふ~。
サブちゃんが、ビールと水を往復30分かけて北穂小屋まで調達してきてくれる。天使だ。
天空遺跡のような北穂テン場で本日の祝勝会。疲労もあり早々に就寝。流星群の夜なのに、眠気に勝てず見逃す。笹田氏とサブちゃんはマーキングしながら流れ星の数を数えた様子。

8月13日 はれ ☀ (北穂テン場~滝谷ドーム中央稜~北穂テン場~涸沢)
4:30起床。いよいよ滝谷である。準備を整え、6:00出発。
6:30下降点。北穂テン場から涸沢岳へ向かう途中西側の谷へザレた急な岩場を降りる。懸垂下降用のハーケンと残置シュリンゲを見つける。打険してみるが、補助ザイルで確保しながら笹田氏が最初に懸垂下降。ハーケンが動くので、最後に懸垂下降するミナト隊長は、新たに支点を作りビナとシュリンゲを残置。本チャンはやはり危険だ。

08-穂高本隊

1回目の懸垂下降。残置ハーケンが動いた!

09-穂高本隊

オートブロックで下っているところ

10-穂高本隊

この懸垂ポイントの前に下降しながらトラバースする場所がありかなり怖い。

最後に、右側に大きく回りこむと取付き地点があった。

11-穂高本隊

テラスにて準備万端。この時ミナト隊長はやたらとガチャ類を身に付けていて笹田氏とサブちゃんに「何だ~ビックウォールでも登るのか?!」と失笑される。登攀具を忘れた私は沈黙・・・

1ピッチ目:笹田氏がトップでリード。チムニーをズリズリ抜けているらしいが、私の場所からだと見えない。チョックストーンを乗り越し、ザイルを引いてもらう。私は初チムニーであったが、登り方が分からず、チムニー内深部にあったクラックに足を突っ込み登る。続いて登ってきたミナト隊長はザイルが重いらしくチョックストーン上で「重い~重い~」と言っていた。
サブちゃんはザックが邪魔でクリオネのように登ったらしい。
2ピッチ目:また笹田氏がトップでリード。登り出してすぐに前方にカンテが現れる。私には垂直に見える。がフォローなので、思い切って登る。やっとカンテを越えたところで追い討ちのようにスラブがあり上がると終了。高度感は最高である。
3ピッチ目:やっぱり笹田氏がトップでリード。4ピッチ目のビレーポイントまで流れるように進む。サブちゃんがリード。
4ピッチ目:ここでも笹田氏がトップでリード。ここは、登り始めより中盤から最後にかけてがキツかった。斜度がだんだんキツくなってきて、クラックに手足を入れなんとか登るとまたしてもスラブ。なんとかこれで終わりか!と思ったら最後チムニーを飛び越える目に合うとは・・・足の短い私は、ここが20mはある峡谷に見えた。が、笹田氏が冷静に「足が届くよ~」と。気合と共に飛び移る気だった肝の小さい私は心の中で『もっと早く言ってくれ!』と擦り減った勇気を惜しんだ。続くミナト隊長もやはり同じチムニー越えで躊躇。最後のサブちゃんはすんなりチムニー越え完了。
5ピッチ目:最後まで笹田氏がトップでリード。するすると岩を登る姿は別の生物のよう。終了点直下のクラックに向かい何とか登っていく。サブちゃんがリード!

12-穂高本隊

さぶちゃん余裕のリード

13-穂高本隊

最後のクラック越え

14-穂高本隊

登攀終了!ドーム中央稜の頂上!

15-穂高本隊

もう一枚!

登攀具をすっかり忘れておきながら登らせて頂いたことに感謝しつつ、北穂テン場まで戻る。
12:30 北穂テン場にて、テントを撤収し涸沢へ向かう。
16:00 涸沢到着。ヒュッテで乾杯!この合宿中で一番おいしいビール。ミナト隊長はこの酒にやられ二日酔いに陥る。笹田氏の最後の晩餐。実においしい。

8月14日 最後まで晴天 ☀ (涸沢~上高地)
4:00起床。6:00涸沢出発。ミナト隊長の「早く歩け」の指示のもと暴走車なみに前の人を煽り上高地まで行く。途中全ての施設で登攀具の忘れ物を尋ね歩く。が、結局上高地の登山案内所のおじちゃんが保管しておいてくれていた。タクシーにて松本まで。沢渡でミナト隊長を下ろす。松本で蕎麦を食し猛暑の都内へ帰宅。

すべて順調だ!と豪語していた体調不良のミナト隊長。おっしゃる通り。すべてが最高の夏合宿だった。
最後に、登攀具を忘れても「帰れ!」と怒らないばかりか、助けていただいた夏合宿の皆様に感謝をこめて。

<サブちゃん感想>
本当に、充実した4日間でした。
西穂~ジャンダルム~奥穂での縦走では、けんリーダーの元
スリリングな岩場の縦走を楽しみ
ジャンダルム頂上では、ちょうど奥穂頂上にいた本隊とケッチボーを叫びあい
飛騨尾根の登攀では
西穂へと続く稜線上からグッチーさん率いる縦走隊のケッチボーの声に励まされれ
浮世から遠くはなれた、北穂のテン場では、流星群を見上げて
「えらいところにきちゃったなーっ」て何度もつぶやきながらの
滝谷のアプローチ。
その憧れの滝谷をミナトリーダーとザイルを組ませて頂き
最終ピッチのリードまでさせてもらって(びびったー・・)
無事登攀終了後、トランシーバーで
奥穂で別れたケンコバコンビの順調な縦走の様子と
本隊の登攀の成功を分かち合い
涸沢で生ビールで合宿成功をお祝い
本当に、充実した、そして、苦しくて、楽しい合宿でした。
一日たりとも、テント場を定着しないでの登攀という過酷な計画をこなせたのは
今まで北稜で培ってきたもの
そして、リーダーと仲間に恵まれたからだと思います。
皆で穂高連峰をうろうろ(笑
各隊別れた中でも、トランシーバーや、ケッチボーの声で、お互いの隊を応援しあう。。。
本当に胸が熱くなりました。

全体をとりまとめてくれた湊大隊長
奥穂までお世話になった、けん縦走隊リーダー、
合宿中に3度も奥穂に登ったカト代表
縦走隊を取りまとめてくれたグッチーCL
一緒にびびりながらも、笑顔で登攀したかおちゃん
西穂~上高間を超高速で2往復してくれた斎藤さん
おいしい料理を提供してくれたコバさん
笑いで同行者を呼吸困難にする、いしづかみさん
そして、いつも私たちをやさしく指導してくれる笹田さん
皆様、本当にありがとうございました!

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