奥秩父全山縦走

日程:H28

9.9 韮崎駅発バス8:50~瑞牆山荘前10:05~金峰山~大弛峠小屋15:00幕営
9.10 幕営地4:00~国師岳~甲武信岳~破風山~雁坂峠小屋14:30幕営
9.11 幕営地5:30~古礼山~笠取山~唐松尾山~将監小屋12:30幕営
9.12 幕営地6:00~飛龍山~雲取山~雲取山荘13:00幕営
9.13 幕営地6:00~白岩山~三峰神社9:30 西武バス10:30発~帰玉

参加者:ミナト(単独)

9/9(金)晴れのち曇り

韮崎駅バス停の『台風の為、バスの運行を中止します』との貼紙に唖然と立ち尽くす私…。過去2回の挑戦は体力不足で敗退、そして今回はなんとアプローチ敗退とは!
途方に暮れていると、バスの運ちゃんが来てその貼紙をベリッと剥がします。「バ、バスは出るんですか?」と私。「安全が確認出来たので出ますよ」とのこと。ヨカッター!!
終点の瑞牆山荘前でバスを降りて身支度を整え、金峰山に向かい幅広の登山道を登ります。富士見平小屋の水場で喉を潤し、小屋で休憩しようとしたらノコギリを持った髭づらの小屋番が入口で仁王立ちしていて、ちょっと怖かったので素通りしてしまいました。仕方がないので大日小屋まで休まず進みここで休憩です。この小屋も何だか不気味な気配が漂っていたので中には入りませんでした。
ガマスラブみたいな大日岩を横目に過ぎて、急登で大汗を掻き樹林帯が切れるとようやく砂払いの頭に到着。たぶん展望が開けているのでしょうが、今はガスの中。「まったくなんにも見えなかった」と言いながらオジサンが頂上から降りて来ました。その後はガスの中の岩稜帯をよじ登り、五丈岩と金峰山頂に到着。平日なのにガヤガヤと登山者が居て、さすがは百名山です。頂上から少し離れた静かなところで休憩し、今夜の泊り場の大弛峠へ向けてあと2ピッチを頑張ります。

証拠写真その1:金峰山証拠写真その1:金峰山

次のピークの鉄山は巻いて、その次の朝日岳を越えてちょっと下ると大弛峠で、立派な舗装された駐車場に車が数台駐車しています。「こんな山奥なのに…」と場違いな思いを抱きながら、できるだけ車道から離れた場所にテントを張りました。

9/10(土)晴れ

今日はちょっと頑張るので、3:00時起床、4:00時出発。まずはヘッデンを点けて国師岳へ向かいます。皇太子様のおかげなのか国師岳までは立派な遊歩道で、ヘッデン無しでも行けちゃいそうなくらいです。途中奥秩父最高峰の北奥仙丈岳へ寄り道し、国師岳に着いたのは5時ちょっと前。山頂には御来光と富士山の撮影目的のカメラマンが大勢いて、しかも皆声ひとつ出さずに黙って東の方向を見つめており、何か新興宗教のような不気味さを醸し出しています。山名標の写真を撮るのも憚られすぐに先に進みます。
ここから甲武信ヶ岳まではガイド本等によると「展望も登山者も無く、ひたすら原生林の尾根歩きがうんざりするほど続く」らしいのですが、原生林フェチの私は大いに期待してしまいます。確かに国師岳から先は道も細くなり登山者も皆無、そして「これでもか!」というほど針葉樹の原生林に浸れますが、木が若干細いことがイマイチだったかなぁ。雰囲気的には南アルプスの光岳周辺か八ヶ岳の御小屋尾根のような感じで、世代交代後のまだ若い森なのでしょうか、あと百年くらいしたら見頃なのだろうなと思いながら歩きました。

国師岳で御来光を待つカメラマン国師岳で御来光を待つカメラマン
原生林の朝日に輝く苔原生林の朝日に輝く苔

そんな楽しい原生林の道も甲武信ヶ岳が近づくと普通の登山道になって、百名山ハンターがウヨウヨしています。甲武信ヶ岳山頂も甲武信小屋もウヨウヨ、小屋でコーラを飲んだらとっとと木賊山へ、そして山頂から笹平へ急降下すると破不避難小屋が見えてきました。明るくてとても雰囲気の良いキレイな小屋で、思わず泊まってしまいたくなりましたが、まだ昼の11時です。大休憩することで我慢しましょう。
小屋から西破風山への登りは本日一番の頑張り所で、休まず一気に登らないとヤバイです。頑張って登って、もうひと頑張り雁坂嶺を登って下りたら日本三大峠の雁坂峠です(あと二つは針ノ木峠、三伏峠)。とても気持ちの良い笹原の峠で、ここのベンチで1時間程昼寝をしてしまいました。そして、今夜はここから10分下った雁坂小屋に幕営です。

泊まってみたい!破不避難小屋泊まってみたい!破不避難小屋
日本三大峠の雁坂峠日本三大峠の雁坂峠

9/11(日)曇り時々晴れ

今日はのんびりなので、4:30起床、5:30出発です。小屋から雁坂峠へ登り返し、水晶山へ緩やかに登っていきます。昨年の秋にも訪れたのですが、ここから古礼山までの原生林がとても素敵なのです。適度な樹間を保つコメツガやトウヒの黒木の大木、倒木を覆う厚い苔の絨毯、朝の斜光の輝き、それらが原生林フェチを夢中にさせます!
古礼山からは雄大な富士山が見えるハズですが、今日はガスで何も見えません。そそくさと燕山へ向かい、ショボい山頂を越えると雁峠へ急降下です。雁峠は広くてとても気持ちの良い静かな高原の峠です。そしてひっそりと佇む廃屋の峠小屋が、昔日の賑わいを語っています。

フェチのおススメ原生林フェチのおススメ原生林
静かな雁峠静かな雁峠

さて、これから今山行一番の急登の笠取山を迎えます。昨日の西破風山よりもさらに急登で、攣りそうになる足を騙し騙し登ってやっと頂上です。頂上っぽくない頂上を通り過ぎ、さらに3つほどのピークを越え急降下して本来の縦走路に合流しましたが、すぐに唐松尾山への分岐路に入ります。大して期待していなかったこの分岐路ですが、いやいやこれは素晴らしい原生林じゃないですか!唐松とコメツガの大木や老木と、背の低い笹原の林床とのマッチングは「The_奥秩父」と呼ぶのに相応しい原生林です!幻想的な霧の中の緩やかな起伏の原生林を彷徨い歩き、幸せな時間に浸っていたら唐松尾山の山頂にひょっこり出ました。山頂は展望も無くひっそりとしています。あとは和名倉山分岐の山ノ神土、なだらかな草原の午王院平、明るい将監峠を経て将監小屋まで下れば今夜の幕場に到着です。

主のような黒木の大木主のような黒木の大木
ひっそりとした頂上ひっそりとした頂上

将監小屋の出入り口には、スズメバチの巣があって中に入れません。炊事棟で休んでいた人達が「今日は小屋番は留守だよ」と言うので、受付せずに適当にテントを張って昼寝しました。夕方起きたら誰も居らず、辺りはシーンと静まり返っています。ちょっと寂しかったので、そそくさと夕食を食べ6時には寝てしまいました。

9/12(月)小雨のち雨

今日は5:00起床、6:00出発。段々と起きるのが遅くなってきましたね。小雨が降る中、飛龍山に向かって巻道を行きます。計画では地図読みしながら竜喰山~大常木山を登頂する予定だったのですが、「雨の中、わざわざ地図読みかぁ?」と日和ってしまいました。ダメですね、本当に根性無しですみません。
飛龍山までの巻道は退屈でした。森も過去に伐採が入った様でイマイチです。飛龍山頂への分岐手前に禿岩という好展望地があるのですが、ガスで何も見えませんでした。分岐から山頂へ向かうと辺りの雰囲気はイイ感じになってきます。シャクナゲのトンネルや黒木が迫る奥秩父らしい道をしばらく行くと静かな飛龍山頂に到着です。

静かな飛龍山頂上静かな飛龍山頂上

分岐まで戻り、雲取山を目指してまた退屈な縦走路を歩きます。北天のタルで三条の湯へ下る道を見送り、しばらくすると「狼平」という不思議なところに出ました。森の中にそこだけぽっかりと笹と苔の原の空間が開いています。しかも小雨煙る中、動物の遠吠えまで聞こえてきました。「えっ、オオカミ!」と思いましたがまさかね…。

狼平狼平
笹と苔の原:オオカミがいるかも?笹と苔の原:オオカミがいるかも?

そこからすぐで三条ダルミ、ここからも三条の湯に下れます。雲取山荘への巻道は通行止めになっていて、縦走路は雲取山へ直登します。けっこうキツイ登りですが、最終目的地だと思うとテンションも上がります。「どはっ、ヤッタゼ!!」と雲取山頂に到着し、しばし感慨に浸ります。なんか場違いなほど立派な山名標の証拠写真を撮り、のんびりとおやつを食べて、今夜の幕場の雲取山荘へ下りました。

証拠写真その2:雲取山証拠写真その2:雲取山

9/13(火)大雨

5:00起床、6:00出発です。土砂降りですが、下山して温泉に浸かれると思うとそんなのはヘッチャラです。川のようになった登山道を三峰神社目指してどんどん進みます。靴の中はもちろん、カッパを着ていてもパンツまでぐっしょりです。しかし頭の中は「温泉入って~♪カツ丼食べて~♪」と温泉とカツ丼の歌がグルグル回っていて、ほとんど休みも取らずに三峰神社に到着してしまいました。神社の屋根付きバス停でズボンまで脱いで着替えていたら、掃除にきたオバサンに変な目で見られてしまいましたが、しょうがないですよね。
あとは大滝温泉にゆっくり浸かって、隣接する食堂でカツ丼からダムカレーに浮気して、3度目の挑戦にしてやっと達成できた奥秩父全山縦走の喜びをひとり味わいました!

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