明神岳東稜

目的地: 北アルプス明神岳東稜~主稜下降

日時: 2016年8月6-7日

メンバー: コバ(記録)、エビ

<1日目>

24時少し前にバスターミナル最寄の第三駐車場に到着。車内で仮眠をとって、朝4時半頃バスターミナルへ向かうとタクシー会社が相乗りの斡旋をしている。大型のタクシーで一人800円。安いし楽なのでこれに乗って上高地に向かう事にする。釜トンネルのオープンが5時なので、中湯で少し時間待ちをして5時20分頃には上高地入りすることが出来た。

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 明神まで1時間弱歩き、明神池の前の喜平次小屋でプラティパス2本分の水を補給する。

梓川沿いを少し上流に行ったところで左に道が別れ、奥に小さな木造の建物がある。これが信州大学の施設で、向かって左手のボロい丸木橋を渡るとヒョウタン池に続く一般道となる。

一般道なので所々にペイントがあり踏みあともはっきりしている。森の中をしばらく歩くとガレた涸れ沢、下宮川谷に突き当たる。谷の右岸につけられた急登の道を辿ると、10分程で左岸から入る小さな枝沢に導かれる。出合には赤丸と矢印のペイントがあり迷うことはないだろう。傾斜はさらに急になり、ガレて非常に登りにくい。登るに従い開けてくる。ペイントを見逃さないようにしないと登りすぎてしまいそうだ。

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■宮川のコルあたりからⅤ峰の東面を望む

宮川のコル周辺は全体的に曖昧な地形で、ペイントをたどっていくといつの間にか上宮川谷に入り、左手の岩場の基部を通過して東稜の取り付きであるヒョウタン池に向かって行く。陽射しが暑い。ヒョウタン池直下の辺りでどこからかクライミングのコールが聞こえるので見上げると4人くらいのパーティーが岩混じりの尾根をロープを使って登っているのが見える。あの辺りが第一階段だろうか。

 ヒョウタン池は本当に瓢箪の形をしていて、小さい。

RIMG2384■ヒョウタン池

一般道はここまで。とはいえ藪の中には明瞭な踏みあとがあり問題ない。ただ暑い。藪を掴みながらの急登を行くと岩っぽい場所に突き当たる。第一階段だ。ブッシュ混じりのスッキリしない岩場を注意しながら登る。ロープは使わなかった。

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■第一階段はロープなしでもOK。ただブッシュ交じりでちょっとうっとおしい。

第一階段の先はただひたすら登る。暑さと草の臭いに体力を奪われる。時折現れるブルーベリーの酸っぱい実で元気を付けながら暑さに耐えて登る登る登る。右手に見える前穂と左手の主稜、振り替えれば梓川が徐々に姿を変え、着実に高度を上げているという実感を与えてくれる。

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■下から望むと前穂は三本槍ヶ岳の趣

13時ころ。ようやく東稜の頭。目の前に東稜の核心であるバットレスの全貌を見渡すことができる。先行パーティーが1ピッチ目を登りきったところのように見える。バットレス手前のコルが今日の僕らの寝床。核心の楽しみは明日にとっとおいて、今日は鋭気を養うこととする。ツエルトを張ってゴロゴロする。陽射しが刺すようだ。虫も多い。それがなければ展望も最高の良いテンバなのだが。

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■明神主峰とバットレス

<二日目>

二日目は朝から岩場に取り付く。1P目エビリード。最初3m位上がり、左に回り込んでブッシュ混じりをトラバースぎみに進む。屈曲が多くロープが重いこともあり、ブッシュの中でピッチを切る。

2P目コバリード。ブッシュ混じりの岩場を10mほど登って広いテラスに出る。目の前に今日の核心スラブ。そのスラブの取り付きで腰がらみビレーとし、エビに上がってきてもらう。

3P目エビリード。スラブはわりと寝ていてフリクションもきいて登りやすい。アプローチシューズのままのエビも難なくクリア。スラブの上にはもう一つ一枚岩が横たわるがこれは左から簡単に巻ける。その上で切って終了。

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■核心の凹角スラブを登るエビ登攀隊長

4P目はガレガレの斜面。コバリード。この先はロープなしでも良さそうだったが、念のため頂上までスタカットで登ることにする。ロープ一杯まで伸ばしてハイマツ帯で終了。

5P目エビリード、踏み跡は頂上に向かって左から巻きこむように続いているが直登を選ぶ。岩が動くとかハイマツが抜けそうとか妙な緊張感のあるピッチ。頂上直下で終了。

6P目コバリード。せっかくフラットソールを持っていったのにいいところはエビに持っていかれ、ガレ場をフラットソールで歩き続けた僕に最後に花を持たせてくれた数メートルのピッチ。実感3手くらいで頂上。7時半。

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■頂上直下のピッチ

RIMG2407■明神主峰頂上ではしゃぐ。

明神頂上からは素晴らしい展望。来て良かったと思うと同時に目の前にある明神Ⅱ峰の岩壁が。達成感の後にもう一度気を引き締める。主峰からⅡ峰まではまたしても急なガレ場でⅡ峰取付きに至る。Ⅱ峰は2ピッチと考えじゃんけんでどっちが先に登るか決める。

RIMG2409■Ⅱ峰。遠目には結構立ってる!

1P目コバリード。一段上がって左に移るあたりがちょっと怖い。少し上がるとテラス状になるのでカムで支点を取ってピッチを切る。

2P目エビリード。Ⅱ峰は思ったより短かったというのが実感。ひょこりと稜線に上がり終了。

Ⅱ峰は冬にのぼられるからか色々なところに支点があって迷いやすいが、弱点をきちんと狙っていけば問題ないと感じた。

Ⅲ峰以降の主稜の下りは基本的にはっきりとした踏み跡があり迷うことは無さそう。ただⅤ峰からの下りは踏み跡が複数ある。上高地の方角に見えるちょっとした広場にに向かって下って行くが、少し起動修正が必要になってしまった。それにしても長く暑い下りを思い返したくない程つづけ、ようやく14時ごろ上高地。

RIMG2412■主稜に延々と続く踏み跡

僕らとしては3度目の正直の明神岳。自分たちで1からやろうと決めて少しずつ積み上げてきた結果が実り、最初のステップを踏み出せた山行として感無量でした。やはりアルプス。大きな山でした。

 

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