8/1~8/2 北岳バットレス

北岳バットレス山行記録

日程:7/31夜発 8/1~8/2

メンバー:サイトー、タカタカ

行程:7/31 埼玉新都心駅18:30集合-(車)-奈良田22:30着

8/1  奈良田5:30発-(バス)-広河原6:15-広河原山荘7:00-二股9:00-c/d沢中間尾根10:30-dがリー取り付き12:00-第4尾根取り付き(ビバーク地)18:00

8/2  第4尾根取り付き4:40-終了点10:00-山頂11:00-広河原15:40-帰京

北岳バットレス第4尾根主稜は、標高日本第2位の北岳頂上直下に突き上げるダイナミックなアルパインコース。アルパイン経験・技術の乏しいタカタカにとっては難しいコースだったが、幸運にも晴天に恵まれ、何よりアルパイン経験の豊富なサイトーさんがパートナーだったことにより、無事に楽しく最高の景色の中で完登することが出来た。

第4尾根主稜コースは、第4尾根主稜とその取り付きまでの下部岩壁の2行程に大きく分けることが出来る。当コースは非常に人気が高く、所々で渋滞の可能性がある。ネット情報によると、白根御池小屋を早朝出発し1日で全工程を終了し小屋まで下山するケースが多いらしい。混雑を避けるため、我々は1日目を下部岩壁登攀、第4尾根主稜取り付きでビバークし、2日目で頂上を目指すことにした。

さらに、下部岩壁のコースは数種類の取り付きがあり、①bガリー、②dガリー、③第5尾根などの候補がある。①はbガリー大滝をつめてcガリーを横断する際、落石が危険との情報あり。だが②・③は雪渓の状態が悪いとの前情報があり、判断が難しい。結局、前日に山小屋へ電話で雪渓問題なしとの確認を取ったため、②を採用した。

朝一のバスで広河原入りし、まずは下部岩壁取り付きを目指す。大樺沢沿いに歩き二俣を越えた辺りから、取り付きのポイントを注意して探る。ただし、心配性のサイトーさんが事前に万全のリサーチをしてくれたお陰でdガリーへの明瞭な踏跡(c沢とd沢の中間尾根から登る)を容易に発見することが出来た。終始アイゼンは不要だった。dガリー前でクライミング装備を身に付け、いざクライミング!とその時、頭上から不穏な音が。。頭部より大きい岩が複数降ってきた!落石だ!間一髪の距離!!サイトーさん「上を見て!石が来たら避けろ!」と叫ぶ。早速アルパインの洗礼を受け、プルプル震えて立ちすくむタカタカ。スタート地点で早急に「本気で帰りたい。」と喉元まで出かかったが、落石はcがリー上部の崩壊跡から発生するため、我々のルートには影響は無いとの冷静なサイトーさんの判断から決行することにした。(北岳は2010年の大崩落後、今も岩が脆い状態。実際に我々の登攀中、その崩落現場からは何度も落石が発生していた。cガリー横断は非常に危険だ。)

dガリー取り付きから第4尾根主稜取り付きまで、ほぼスタカット(サイトーさんリード)で5ピッチ。途中の支点が頼りないこと(途中フレンズも使用)、足元が結構ざれていること等、不安定要素が多かった。dガリー取り付きまで雪渓の下を泥だらけになりながらくぐったり、上部の高度感たっぷりなトラバースが足元ザレザレだったり、結構バクバク心臓に負担をかけつつ(!)、第4尾根主稜取り付きにようやく到着。

第4尾根主稜取り付きは広いテラスになっていてツェルトビバーク可能。岩壁ビバーク得意のサイトーさん主導で心地よい安全なツェルト生活があっという間に完成。ビバーク方法を教えてもらった。例えば、ツェルトの設定方法から始まり、常に自己ビレイを取りヘルメットも装着する、トイレの為のビレイをロープで予めセットする、物を落とさないように必ず袋に収納し確保する等、貴重な体験をして参考になった。翌日の登攀のため、夕食後は早々に就寝。2人用のツェルトはそれほど大きくは無いが、岩の上にテントマットを敷き、シュラフカバーで包まって寝ると意外と居心地良いものだった。

翌朝3時に起床し、朝食後に身支度を整える。空が明るくなった後、第4尾根主稜取り付きから登攀開始。一般的に最終点まで9ピッチあり、核心部は1、5、9ピッチ目。タカタカは「ツルベなら偶数ピッチは担当しようかな~♪」なんて呟いたのも束の間、ゲレンデとは違うアルパインの迫力に圧倒され、あっさりフォローを志願する。「だってだって、ランアウトするし、絶対に落ちれないし、支点不安定だし。。モニョモニョ」と言っている間に、サイトーさんはタイムリミットを気にして全工程リードを担当してくれた。流石多くのクライミング経験を持つサイトーさんは、重い荷物を背負いながら、次々と突破していく。1ピッチ目のクラックや5ピッチ目のスタンスの少ない垂壁、そこからの大胆な高度感のあるナイフリッジ、6ピッチ目のマッチ箱の懸垂下降、9ピッチ目のハング気味のチムニー越え、各終了点ポイントでは素早い支点作りや所々のフレンズの使用等、まるで山岳ガイドのような身のこなし。本当にすごい技術と精神力だ!これだけお世話になったにもかかわらず、クライミングの途中でサイトーさんのカメラ(今回の唯一の記憶媒体)をタカタカがどこかで紛失。恩を仇で返すとはこのことだ。サイトーさん「そのカメラ3日前に買ったばっかりなんだよね。。」とぽつり一言。(←後日落し物として届出があり(!)無事にカメラを回収。しかしクライマックスのサイトーさんの格好良いシーンが全く撮影できず、本当にすみません。。) サイトーさん優しく許してくれました。

登攀後に装備を解除し、北岳山頂へ30分程度で到着。本来盛り上がって記念撮影をするはずだが、ここでも写真は無し。自分のおっちょこちょいを呪う。山行計画では肩の小屋でゆっくり1泊する予定だったが、突如天候が急変しザーザー降りになったため、急いで広河原まで下山し、最終バスで帰京した。

常にフォローで情けないが、清々しい晴天の下、3000メートル級の尾根をを登攀しながら、ふと背に見る壮大な山々の景色は最高に気持ちよかった!!登攀の途中にテラスでビバークしたのも楽しかった!!他のパーティとも会わずに北岳の尾根を独り占め出来た贅沢な山行だった。全てはサイトーさんのお陰です。ありがとうございました。

・アクセス詳細

広河原への道はマイカー規制があり、アクセスにはバスもしくはタクシーの利用が必要。南アルプス登山バスは、夜叉神~広河原間での落石による通行止めのため、一時的に奈良田~広河原のルートにて代替運行となっていた。それにより、今回は奈良田に駐車することになった。

交通所要時間 さいたま新都心駅-(車で4時間)-奈良田

奈良田-(バスで45分)-広河原

奈良田から広河原までのバスは大変混雑するので、要注意。

奈良田には2箇所の駐車場があり、各駐車場にバス停がある。第1駐車場がバスの始発駅で、第2駐車場が次の停留所。第2駐車場から乗車すると、混雑の為に時刻通りのバスに乗れない可能性あり。我々の場合、前夜22:30に奈良田に到着して、ギリギリ第1駐車場に駐車したので、始発駅から乗車出来た。早めに第1駐車場に到着することをおススメする

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