甲斐駒ヶ岳

竹宇駒ヶ岳神社~黒戸尾根~甲斐駒ヶ岳

時期:     2014321日(金)~23日(日)

メンバー:  コバ、ケンタ
工程: 3/21日 曇り時々雪 東京- 登山口- 七丈小屋   3/22日 快晴 七丈小屋 - 山頂 - 七丈小屋     3/23日 七丈小屋-竹宇駒ケ岳神社

 記録

東京を5:30に出発するものの、首都高の事故の影響でのっけから渋滞気味。予定より若干遅れて8:00すぎに尾白渓谷の駐車場に到着。2月の雪の影響で駐車場へ通じる道も不通だったため、先週まで約1ヶ月の間駒ケ岳山頂を踏んだ人はいなかったとのこと。駐車場にもまだ大分雪が残っていました。

駐車場あたりは春の雰囲気
駐車場あたりは春の雰囲気

さっさと準備をして出発。竹宇駒ケ岳神社も雪の中。お参りをして先に進みます。尾白川に掛かる吊橋を渡ったところから本格的に登り始めます。先行者が結構いるようで、踏み跡ははっきりしていて迷うことはありません。しかしこの日は気温がどんどん上がってきて暑い。結構な傾斜の単調な山道で飽きる。暑い。疲れる。結局笹の平の分岐まで2時間も掛かってしまった。笹の平までくれば傾斜も少し落ち着いてくる。

ここから1時間ほどで刃渡り。この頃から風が強くなり、雪が混じるようになる。刃渡りも横風に少し緊張する。ようやく楽しいゾーンに入った感じ。刃渡りの先すぐにあるはずの刀利天狗も雪に埋れて確認出来ず。ハシゴや階段が続くがほぼ雪に埋まっていて準雪壁状態の場所も多い。ピッケルとアイゼンの前爪を効かせて慎重に登って行く。特に五合目小屋跡の先の鎖場は完全に雪に埋まり緊張感のある雪壁になっていて、この日の核心部でした。
七丈まではこんな感じが続き、小屋手前のいやらしいトラバースをこなして小屋に到着。
雪が多いため、テンバは第一小屋の前に設定されてました。水は小屋が提供してくれるのですが、水を入れた10Lのヤカンは17:00位には引っ込んでしまうので注意。
トイレも清潔で居心地の良いテンバです。
晩飯は鳥肉のトマトシチュー。米は炊いてみました。なかなかでした。

22
()快晴
4:00起床 ー 七丈5:30 ー 山頂8:00 ー 七丈11:00
夜の間ずっと強い風の音が響いていましたが、朝起きると満天の星空。絶好の天気です。5:00頃東の空が赤く染まり、足元が明るくなってきた5:30頃行動開始。
 まずは八合目を目指します。第二小屋の手前の雪だまりをよじ登ってスタートです。気持ちの良い樹林帯を経て徐々に傾斜が増てきます。先行者がいるらしくトレースが続く。でも人数は少なそう。樹林が薄くなったあたりで先行者を上部に発見。ソロの男性のよう。

七丈小屋のすぐ上から
七丈小屋のすぐ上から

雪は深く、時々膝下くらいまで踏み抜くことはあっても、トレースのおかげで順調に高度を稼ぐ。

八合目直下
八合目直下
八合目から摩利支天と遠くに北岳
八合目から摩利支天と遠くに北岳
八合先の大岩の基部を巻いていく
八合先の大岩の基部を巻いていく
お馴染みの剣が刺さった岩
お馴染みの剣が刺さった岩

八合からは遠くに鳳凰と北岳が望め、目の前には摩利支天がそびえる。これから登る方向も険しさが増してきます。八合からすぐに大岩があり、この下を巻いて行くところが嫌な感じだけど、これを切り抜けると例の剣が刺さった岩の脇に出る。この辺りで先行者に追いつき、トレースのお礼をしてトップを代わる。昨日の雪でノントレース。まっさらな雪に自分の足跡を刻んで行くのは何とも爽快。雲ひとつない空に白い雪が眩しい。ここからは3人でトップを代わりながら山頂へ。朝の低い気温で締まった雪にアイゼンとピッケルがよく効く。

見上げるとトレースの無い雪壁に霧氷が綺麗
見上げるとトレースの無い雪壁に霧氷が綺麗

10

もうすぐ頂上
もうすぐ頂上

今週一番乗りの駒ケ岳山頂からは目の前には次の目標仙丈と北岳池山吊り尾根が見渡せる。遠くには北アルプスが一望。八ヶ岳もクッキリ。そして富士山がデカイ!

山頂から北岳
山頂から北岳

 久しぶりの充実感。いつも思うけど甲斐駒ケ岳山頂は独立峰の趣があってやっぱり良い。

山頂で単独の人と話し込んだらどうやら新潟の山岳会の人で夏は沢、冬はアイスが中心だそう。新潟の早出川流域が素晴らしいと言ってました。
摩利支に立ち寄ると言っていた新潟さんと別れて、僕らは下山します。雪の下山は何時ものごとく登りの倍のスピードで下って行きます。あまりの天気の良さと快適な登頂に気を良くして調子に乗りすぎていたかもしれません。
八合を過ぎて傾斜が緩んできたあたりからは、シリセード混じりに快調に下っていました。樹林帯に入りトレースをショートカットしようとシリセードを始めました。方向転換しようと前方の木を蹴飛ばした時、グキッとやな音が。左足首捻挫確定。大した傾斜じゃなかったので蹴飛ばしたとき止まって良かったのですが、もう立ち上がれません。とりあえずケンちゃんが持っていたテーピングで固定し、這うようにして七丈まで下りました。
七丈でのんびりして次の日下るのは予定通りとはいえ、ほぼ一日中アイシング
最終日はアイシングの甲斐あって少し痛みも引き、靴も履けたので下山決行。実はこの日小屋の客で靱帯を切った人がいてヘリで運ばれて行きました。
僕はといえば、ケンちゃんから借りたストックに頼りながら、ヨチヨチ下山。それにしても黒戸尾根は長い。5:30に下山開始し、駐車場には15:30。実に10時間かかりました。
翌日念のため整形外科を受診したら左足首内側くるぶし骨折が判明。下れて良かったあと心から思いました。関係の皆様にはご心配をおかけし大変申し訳ありませんでした。

さて、身を持って次のような教訓を得たわけです。

1.シリセード
シリセード自体は下山時よく行われることなのですが、コースを見極めること。先に障害物があるときは基本どおりピッケルで停止する。たかが木とはいえ(僕が蹴飛ばしたのは直径15cmくらいの細い木)体重が乗ったときの衝撃はかなりのものです。

2.救急セット
捻挫(僕は骨折でしたが)は山では比較的起きやすいトラブルです。山小屋などはないのが普通なので、足を固定するテープは必携。今回は僕とケンちゃんで2本あったのが救いでした。また下山を想定した場合は痛み止めもあった方が良いでしょう。今回は僕が持っていたバファリンが気休めになりましたが、ロキソニンとかもっと強いのがあったらより行動が迅速だったでしょう。
捻挫であればボルタレンとかの湿布も有効です。特に夏はアイシングが出来ないので。

3.ストック
今回はケンちゃんのを借りられたけど、使わなくても持ってると安心ですね。杖なんてバカにするのはやめにします。
いうことで少し進化して来年は池山吊り尾根を目指します。みんな付き合ってね!